時をこえて、またキミに恋をする。

わたしは包帯を解くと、透き通る川の水を両手ですくった。


「気持ちいい〜!」


顔を洗うと、ひんやりとした水がわたしの肌を潤した。


それにしても、目の前に広がる景色は本当にわたしの知らない世界。


平屋が並ぶ街並みからわたしがいる川を挟んだ向こう側には、田んぼと畑が広がっている。

当然だけれど、行き交う車や高いビルなんて一切ない。


今でも、幕末にタイムスリップしてきたのが夢のようだ。


…いつになったら戻れるんだろう。

そうなったら、宗治とはここでお別れだけど。


そんなことをぼんやりと考えていた。


――すると。


すぐ後ろで、草を踏みしめる足音が聞こえた。


振り返ると、しゃがむわたしを見下ろす3人組の男たち――。


お屋敷にいた人たちとは違って、色も地味で汚れた着物姿だ。