時をこえて、またキミに恋をする。

「…はぁ、早く桜咲かないかな」


こんなところにいたって、もうどうしようもない。

それなら、早く帰りたい。


わたしはぼんやりと部屋から桜の木を眺めるのだった。


「姫、お気をつけくださいませ」

「大丈夫よ、宗治。私、子どもじゃないんだから」


ふと声がしたほうを見ると、階段を下りる都子姫の手を宗治がそっと握っていた。

用心棒と言っていたけど、その姿はまるでエスコートする紳士のようだ。


壱さんは、そんな2人の様子を少し後ろから温かく見守っていた。


壱さんは…すごいな。

好きな人が自分じゃないだれかと手を繋いでいても、その気持ちを決して表情には出さないなんて。


――わたしは。


「…って、なに考えてるの。これじゃあ、まるでわたしが宗治のことを好きみたいじゃない…!」