時をこえて、またキミに恋をする。

「壱さんはこんなところにいてないで、都子姫のおそばにいなくてもいいんですか?」


壱さんは、朝ごはんを食べるわたしの話し相手になってくれていた。

宗治と壱さんは恋のライバルだから、早く都子姫のところへ戻ったほうがいいと思ったんだけど――。


「都子姫には宗治がいますから」


そう言って、壱さんは微笑んだ。

だけど、その笑みは…見ていてどこか切ない。


「僕と宗治は、どちらが都子姫の結婚相手にふさわしいかどうかをこのお屋敷で見られています。しかし、初めからその必要はないのです」

「…と言いますと?」

「都子姫と宗治がずっと前から想い合っているのは知っています。ですから、僕が結婚相手に選ばれるべきではないのです」


その言葉に、私は驚いた。

なんと壱さんは、自ら身を引こうとしていたのだ。