さっきの化け物がいたところまで戻るのは心苦しかったが、子供をひとりにしておけるわけもなく俺は親御さんを探し暗闇の中を歩き回った


「とりあえずお母さん〜って叫んどけば見つかるだろ」


俺は子どもを抱っこして、とりあえずさっき逃げ回った駅の構内を歩き出す


さっき休んだからだろう、少し体力は戻ってきていた


子どもが叫んでいると、お母さんらしき人がいた


「うわっ、び、びっくりした」


俺の目の前にいたのはさっき俺の足を掴んでいた人だった


「お母さん!」


「総司〜」


俺はその人に子どもを受け渡すと涙を流して、かすれ声だが「ありがとう」と言っていた


よかった


俺はひと仕事を終えて安堵の息を浮かべると


パァ〜と目の前が明るくなってるのが分かった