「———見過ぎだろ」


ボソッと呟く(つな)くんの声で我に返った。と同時に見ていたことがバレていて、恥ずかしさで顔が赤くなっていく。





「鬼の子って———、
父ちゃんと母ちゃん、どっちが鬼なの?」



予想外の質問に、呆気に取られてしまった。


「えっと?」



「お前って鬼の子なんだろ?でも、見た目は人間にしか見えないし、鬼と人間のハーフ?」



「・・・・・・ふっ」


今までずっと怪訝そうな顔をしていたのに、興味津々といった様子で、少し前のめりで聞いてくるものだから、思わず吹き出してしまった。


「なんだよ、何が面白かった?」


「ご、ごめん。
私のお父さんとお母さんは人間だよ」



「じゃあ、鬼の子じゃねぇじゃん」



綱くんは、不思議そうに首を傾げていた。