⋆⸜꙳⸝⋆

翌日も、その次の日も、毎日放課後のバスケ練習に付き合ってくれた。


綱くんの顔を見ただけで、キスされた時の光景が頭の脳裏に浮かんできた。耳まで真っ赤になる私をよそに、彼は「気にもしてません」とでも言うように、全く変わらない態度で悔しさを覚えた。


私ばっかり気にしてるようで、なんだか悔しくて、キスのことには触れなかった。

触れたいような、触れたくないような・・・・・。


これ以上足を踏み込むのは怖くて、私から聞くことはできなかった。



「・・・下手くそ」

「うぅ、頑張ってるのに・・・。見てるだけじゃなくて、教えてよ」

「早く上達してくれよ。俺の自由時間がなくなるだろ」

「・・・じゃあ、教えてくれなくていいよ。なんか、ごめんね」

「今の下手くそまま、球技大会に出て役立たずだと、言い出しっぺの俺が責められるだろ」


その言葉とは裏腹に、なんだかんだ丁寧に教えてくれた。不器用なのか、口が悪いのか・・・。


文句を言いながらも、毎日しっかり練習に付き合ってくれるので、いくら口が悪くても憎めない。


気だるげそうにしながらも、教えてくれる。
文句を言いながらも、顔は笑ってたりする。
そんな彼との練習は楽しくて、この時間が続けばいいのに・・・——。と、心の中で願っていた。