不安定な心は、眠りに落ちた沙也に奇妙な夢を見せてきた。
沙也はいつの間にか、草原に似た場所にいた。
さわさわと草が揺れているような感覚が伝わってくるけれど、草のようなものは緑ではなかった。
真っ白で、綿のよう。
やわらかそうで、心地よさそうで。
でも綿ではないだろう。
風にそよいで揺れているのだから。
下のほうを何気なく見て、沙也は目を丸くした。
手にはいつの間にか、なにかが抱えられていた。
それは卵のように見えた。
白くて、表面はわずかにざらついていて、鶏の卵を手に取ったときの感触に似ていた。
そして中から息遣いのようなものが伝わってくる。
動いてはいないのに、確かに優しい呼吸が殻を通して伝わってくるのだ。
なんだろう、これ。
でも、抱えているとなんだか落ち着く。
ぬくもりすら伝わってくるように錯覚した。
沙也はいつの間にか、草原に似た場所にいた。
さわさわと草が揺れているような感覚が伝わってくるけれど、草のようなものは緑ではなかった。
真っ白で、綿のよう。
やわらかそうで、心地よさそうで。
でも綿ではないだろう。
風にそよいで揺れているのだから。
下のほうを何気なく見て、沙也は目を丸くした。
手にはいつの間にか、なにかが抱えられていた。
それは卵のように見えた。
白くて、表面はわずかにざらついていて、鶏の卵を手に取ったときの感触に似ていた。
そして中から息遣いのようなものが伝わってくる。
動いてはいないのに、確かに優しい呼吸が殻を通して伝わってくるのだ。
なんだろう、これ。
でも、抱えているとなんだか落ち着く。
ぬくもりすら伝わってくるように錯覚した。



