「沙也! 医務室に行こう! 私、すぐ電話するから!」
また奇妙に遠くで声がして、強い力が沙也の体を引き寄せて、なにかに寄りかからせてくれた。
倒れそうだったところには有難く、沙也はぐったりとそのなにか……ロッカールームの椅子だったが、体を預けた。
はぁはぁと呼吸も荒くなる。
心臓がバクバクしているのも自覚した。
倒れる原因になった思考はあるけれど、今は考えないほうがいいことくらいはわかる。
沙也は意識して、そのことを頭の隅に追いやった。
今は意識を途切れさせずにいるのに集中する。
沙也が朦朧としているうちに、ロッカールームのドアが開き、バタバタとひとが入ってきた。
それすら沙也には、ぼんやりとしか理解できなかったけれど。
「大丈夫だよ。医務室で診てもらおう」
いつの間にか、担架などが用意されて、乗せられていた。
横たわれて、少しほっとした沙也。
その手を明依が、きゅっと握ってくれた。
包まれた手から伝わるあたたかさに、沙也は心から安心できて、目を閉じた。
この安心から、少し気持ちは落ち着いてくれたようだった。
くらくらするのは去らないものの、目を閉じて、じっとしているうちに、速すぎる鼓動も、荒かった息も、少しずつ落ち着いていった。
また奇妙に遠くで声がして、強い力が沙也の体を引き寄せて、なにかに寄りかからせてくれた。
倒れそうだったところには有難く、沙也はぐったりとそのなにか……ロッカールームの椅子だったが、体を預けた。
はぁはぁと呼吸も荒くなる。
心臓がバクバクしているのも自覚した。
倒れる原因になった思考はあるけれど、今は考えないほうがいいことくらいはわかる。
沙也は意識して、そのことを頭の隅に追いやった。
今は意識を途切れさせずにいるのに集中する。
沙也が朦朧としているうちに、ロッカールームのドアが開き、バタバタとひとが入ってきた。
それすら沙也には、ぼんやりとしか理解できなかったけれど。
「大丈夫だよ。医務室で診てもらおう」
いつの間にか、担架などが用意されて、乗せられていた。
横たわれて、少しほっとした沙也。
その手を明依が、きゅっと握ってくれた。
包まれた手から伝わるあたたかさに、沙也は心から安心できて、目を閉じた。
この安心から、少し気持ちは落ち着いてくれたようだった。
くらくらするのは去らないものの、目を閉じて、じっとしているうちに、速すぎる鼓動も、荒かった息も、少しずつ落ち着いていった。



