幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 考えていくと、ひとつの可能性が頭に閃いた。

 さっと心が冷えていく。

 まさか、という可能性が浮かんだのだ。

 だって、このタイミングと、あの交際の夜を思い返せば、ひとつしかないのでは……。

 考えれば考えるほど、その可能性が濃いとしか思えなくなっていく。

 急に思考や気持ちが冷えたからか、本当に血の気まで引いた気がした沙也。

 ぐらっと頭の中が揺れ、目の前がちかちかっとした。

 すぅっと視界が暗くなっていく。

「沙也!?」

 明依が焦って呼んだだろう声も、あり得ないほど遠くから聞こえたように感じた。

 ガッ、と腕が掴まれる。

 その力に支えられて、沙也は倒れ込むことなく、そのままぐずぐずと床にへたり込んでいた。

 気分が悪い、と感じられる。

 目の前がすべてブラックアウトしそうで、必死で奥歯を噛み締めて堪えた。