幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 だから肯定する。

 自分のせいにするなんて、とんでもない。

 ただ、表面だけの戯れのようなものだ。

 清登は軽々と沙也を抱いたまま、静かに一室へ入っていった。

 間接照明だけがついた寝室。

 ダブル以上はありそうな、広い、広いベッド。

 そこへ沙也を下ろし、肩を押して、押し倒してきた清登。

 沙也を見下ろす体勢になって、再び沙也の頬に触れてきた。

「……清登くん」

 心臓はすでにばくばくしていたし、キスで減った酸素が戻ってきても、今度は別の意味で息が苦しい。

 それでも名前を呼んだ。

 これまでとはまったく違う意味で口に出した響きだ、と自分でわかる。

 清登もわかってくれたようだ。

 頬を包んだ手で、やわらかく撫でてくれて、口から出た言葉は、今まで聞いた言葉のどれよりも、優しく、それ以上に愛おしいという気持ちがたっぷり滲んでいた。

「……愛してる。沙也」