酸素不足で少しふわふわしてくる頭の中、甘いキスを受けながら、沙也はぼんやりと、起こりもしないことを考えてしまった。
そのくらい、非現実で、甘美な時間だったのだ。
それでも、清登がそんなことをするものか。
沙也の息が止まってしまうよりずっと前に、そっとくちびるを引き、再び沙也の頬を包んできた。
「ごめん、苦しかったか?」
とろっとしてしまっただろう、沙也の瞳を覗いて、優しく聞いてくれる。
だから沙也の瞳は、もっとやわらかくなってしまった。
「う、……ん、……はぁ、だい、じょうぶ……」
目を細め、幸せいっぱいという表情と声になったようだ。
清登が困ったような表情はまだなくならないものの、笑顔になってくれたから。
「沙也が望んだんだからな」
やがて沙也の呼吸が少し落ち着いた頃、清登はそっと沙也を抱き上げた。
そんなふうに言うので、沙也はおかしくなってしまう。
「うん、わかってる」
そんなこと、思っていないくせに、とわかってしまったのだ。
そのくらい、非現実で、甘美な時間だったのだ。
それでも、清登がそんなことをするものか。
沙也の息が止まってしまうよりずっと前に、そっとくちびるを引き、再び沙也の頬を包んできた。
「ごめん、苦しかったか?」
とろっとしてしまっただろう、沙也の瞳を覗いて、優しく聞いてくれる。
だから沙也の瞳は、もっとやわらかくなってしまった。
「う、……ん、……はぁ、だい、じょうぶ……」
目を細め、幸せいっぱいという表情と声になったようだ。
清登が困ったような表情はまだなくならないものの、笑顔になってくれたから。
「沙也が望んだんだからな」
やがて沙也の呼吸が少し落ち着いた頃、清登はそっと沙也を抱き上げた。
そんなふうに言うので、沙也はおかしくなってしまう。
「うん、わかってる」
そんなこと、思っていないくせに、とわかってしまったのだ。



