幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 沙也は顔をうずめていたバスローブから、顔を離して上を見上げた。

 清登の顔が目に映る。

 眉を寄せ、顔を歪めた表情をしていた。

 とても切なげな表情。

 こんな顔をさせてしまったことに、心は痛んだ。

 本当に自分はずるいと思う。

 こんなふうにねだったりして。

 無理を言って。

 だけど許してほしい。

 その気持ちを瞳に込めて、必死で見つめる。

 今夜だけで、満足するから。

 追い縋ったりなんてしないから。

 たくさん泣くことになっても、終わるから。

 だから……今夜だけは、深く愛し合い、繋がる、恋人同士の時間を。