幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「……駄目だよ、沙也」

 なのに、清登の返事はそれだった。

 静かに否定を告げる。

 沙也の胸が、さっと冷たくなった。

 駄目って、どうして。

 私に魅力がないから?

 恋人にしてくれても、そういう欲は覚えられないから……?

 次々に不安が湧き上がり、胸はどんどん冷えていく。

 その沙也を説得するように、清登が触れてきた。

 沙也の背中にそっと手を置く。

「そうしてしまったら、俺は沙也を離せなくなるよ」

 置いた手で優しく沙也を撫でて、清登は言う。