大胆なことを言っている自覚はあった。
羞恥やためらいがなかったわけはない。
でもそれ以上に、こんなことは嫌だった。
最後なのに。
恋人同士としていられる最後なのに。
……結ばれないなんてこと。
「いや、……沙也、なにを」
清登の表情が、明らかに戸惑った。
こわばる中に、ためらう色が混ざる。
それを壊してしまいたい気持ちで、沙也は続けた。
「今夜は恋人同士なんでしょう。それなら、ちゃんと恋人にして……!」
静かに言っているつもりが、だんだん気持ちが昂ってきたようで、声は張り詰めていった。
最後は涙混じりにも近くなり、そんな声の表情を晒しているのに耐えきれず、沙也はもう一歩踏み出していた。
掴んでいた清登の袖に、ぎゅっと顔をうずめる。
清登がぴくっと反応するのが伝わってきた。
その動きすら感じていたいとばかりに、もうひとつ、顔を押し付けた。
羞恥やためらいがなかったわけはない。
でもそれ以上に、こんなことは嫌だった。
最後なのに。
恋人同士としていられる最後なのに。
……結ばれないなんてこと。
「いや、……沙也、なにを」
清登の表情が、明らかに戸惑った。
こわばる中に、ためらう色が混ざる。
それを壊してしまいたい気持ちで、沙也は続けた。
「今夜は恋人同士なんでしょう。それなら、ちゃんと恋人にして……!」
静かに言っているつもりが、だんだん気持ちが昂ってきたようで、声は張り詰めていった。
最後は涙混じりにも近くなり、そんな声の表情を晒しているのに耐えきれず、沙也はもう一歩踏み出していた。
掴んでいた清登の袖に、ぎゅっと顔をうずめる。
清登がぴくっと反応するのが伝わってきた。
その動きすら感じていたいとばかりに、もうひとつ、顔を押し付けた。



