幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 不思議そうな顔をしただろう沙也とは裏腹に、清登はふわりと優しい笑みを浮かべた。

 冷蔵庫から取り出したのは、牛乳のパックのようだった。

「取り寄せておいたんだよ。ホットミルク、好きなほうで作ろうと思って」

 ……ホットミルク?

 沙也の頭には、今度、疑惑が湧き上がった。

 あまりいいものではない疑惑だ。

 だが残念ながら、それが当たっていることは、自分ですぐにわかっていたのだ。

「沙也、はちみつのホットミルクが好きだろう。でも一回メープルシロップで作ったときがあったじゃないか。ほら、沙也がインフルエンザにかかったときだったか……」

 穏やかに続けていく清登の表情も声も優しかったけれど、沙也は、ごくっと唾を飲んでいた。

 どうして、と思う。

 こんなこと、信じたくない、とも思う。

 だって、この流れは明らかに。