居室のソファに腰掛けて、一応スマホを手に取ったものの、画面を見る視線は上の空になってしまって、すぐにやめた。
代わりに窓へ寄っていって、カーテンを少しだけ開ける。
美しい夜景が広がっていた。
高層ホテルの最上階なのだ。
しかもすでに真夜中。
夜が一番深いとき。
そのためか、最初のデートの日、レストランで見たときよりも美しく見えるように感じられた。
非日常の美しさは、この時間こそがまさに非日常なのだと沙也に実感させてきた。
でも今、確かに沙也の元にあることに違いはないのだ。
それなら、この美しい光景を楽しむのと同じように、素晴らしい時間を堪能するだけだ。
待つ時間は永遠のようにも、一瞬だったようにも感じられた。
「お待たせ」
ガチャ、と音が立って、清登が部屋に戻ってくる。
バスローブを身に着けて、湿った髪を軽く拭いている。
沙也の胸は、はっきり、どきんっと高鳴った。
ついに、と構えてしまう。
代わりに窓へ寄っていって、カーテンを少しだけ開ける。
美しい夜景が広がっていた。
高層ホテルの最上階なのだ。
しかもすでに真夜中。
夜が一番深いとき。
そのためか、最初のデートの日、レストランで見たときよりも美しく見えるように感じられた。
非日常の美しさは、この時間こそがまさに非日常なのだと沙也に実感させてきた。
でも今、確かに沙也の元にあることに違いはないのだ。
それなら、この美しい光景を楽しむのと同じように、素晴らしい時間を堪能するだけだ。
待つ時間は永遠のようにも、一瞬だったようにも感じられた。
「お待たせ」
ガチャ、と音が立って、清登が部屋に戻ってくる。
バスローブを身に着けて、湿った髪を軽く拭いている。
沙也の胸は、はっきり、どきんっと高鳴った。
ついに、と構えてしまう。



