清登はあまり仕事のことを語らなかったから、本当に断片しか知らないけれど、なんとなく想像はついた。
沙也の前では、会社跡継ぎの顔より、ただの幼馴染の顔でいたいから。
仕事の話よりも、美味しいお菓子の店や、流行りの映画、それから沙也の日常の話。
何気なさすぎる、そんな話題が中心だった。
それで、沙也はその時間をとても心地良く思っていたのだ。
でもその時間も、今夜でおしまい。
わかっているから、そっと胸の奥へしまうことになるだろう。
「風呂、どうだった?」
清登はさりげない様子でいくつかの画面を閉じて、タブレット端末を暗転させた。
テーブルに置いてしまう。
「とっても素敵だった! バスタブがすごくゆったりしてて、バスボムもふわふわの泡ができててね……」
沙也の声は落ち着いていた。
それどころか明るかった。
話すのを清登は優しい笑みで聞きながら、立ち上がる。
次は清登がお風呂を使う番なのだ。
「そりゃあ楽しみだ。じゃ、俺も行って来るかな」
「うん、ごゆっくり」
そんなやり取りで、清登は浴室へ向かっていった。
沙也の前では、会社跡継ぎの顔より、ただの幼馴染の顔でいたいから。
仕事の話よりも、美味しいお菓子の店や、流行りの映画、それから沙也の日常の話。
何気なさすぎる、そんな話題が中心だった。
それで、沙也はその時間をとても心地良く思っていたのだ。
でもその時間も、今夜でおしまい。
わかっているから、そっと胸の奥へしまうことになるだろう。
「風呂、どうだった?」
清登はさりげない様子でいくつかの画面を閉じて、タブレット端末を暗転させた。
テーブルに置いてしまう。
「とっても素敵だった! バスタブがすごくゆったりしてて、バスボムもふわふわの泡ができててね……」
沙也の声は落ち着いていた。
それどころか明るかった。
話すのを清登は優しい笑みで聞きながら、立ち上がる。
次は清登がお風呂を使う番なのだ。
「そりゃあ楽しみだ。じゃ、俺も行って来るかな」
「うん、ごゆっくり」
そんなやり取りで、清登は浴室へ向かっていった。



