幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 もちろん、清登が運転してくれているのに悪い、と思い、「大丈夫」と頑張って起きていたのだけど、やはりいつのまにかうたたねをしてしまっていたようだ。

 気付いたときには車は家の前に着いていて、清登が肩を叩いていた。

「あ、ごめん……、寝ちゃって……」

 目をこすって言った沙也。

 清登は助手席のドアを開けて、沙也を覗き込んだ姿勢で、怒るどころか、にこっと幸せそうに笑った。

「いいや。そのくらい安心してくれて、嬉しい」

 そのまま手を引かれて車を降りて、後ろのトランクからたくさんのお土産の袋も出してくれて……。

「じゃ、おやすみ。沙也。また明日な」

 デートの終わりは、やはりキスだった。

 まだ二度目のキス。

 それなのに、なんだかこうするのが当たり前だったような。

 こういう関係になって、自然だったような。

 そんなふうに感じてしまうほど、幸福感が沙也の内側いっぱいに広がった。