「……そうなの。素敵ね」

 数秒、真悠は黙ったが、すぐに明るい声になってそう言った。

 とりあえずこの場は乗り切れそうだ、と悟って、沙也は心からほっとした。

「じゃあ、ごめん。車を待たせてるんだ」

 そして清登がこの場を終わらせる言葉を口に出した。

 今度は本当のことだったが、だがこの状況では言い訳でもあっただろう。

 長々と話したいわけがない。

 この三人で、なんて。

「そうなの。じゃ、またね。今度は……再来週でしたっけ?」

 真悠が言ったのはただ、受け入れる言葉だったが、そのあとに別のことも付いてきた。

 多分、次に会える日の話だろう。

 沙也にとっては、なんだか牽制のように聞こえてしまったけれど、その通りである可能性は高そうだった。

「そうだったな。そのときはよろしく」

 清登はちょっとだけ困ったような表情になった。

 しかしすぐに引っ込めて、笑顔になる。

 端的にそう答えた。

 それで沙也を促してくる。

「沙也、行こうか」

 流石に手は差し出してくれなかった。

 この状況ではそれで当たり前、と思いつつも、沙也は寂しい気持ちを覚えてしまった。