幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 沙也の胸は、やはり嬉しさとほのかな切なさが同時に生まれてしまう。

 嬉しさの中にある切なさ。

 でもまだまだ恋人同士の時間ははじまったばかり。

 切なさにとらわれるのは、もっと先でいい。

 よって沙也は、嬉しい気持ちのままに、微笑んだ。

「そういうことになるね」

 沙也の笑みに、清登ももっと嬉しくなったようだった。

 続けて言った。

「それじゃ、もっとたくさんのことを一緒にしよう。次は週末に出掛けようと思うんだけど……」

 優しい言葉。

 今はその優しさや、それを嬉しいと思う気持ちを大切にしたい。

 次に出てきた肉料理の豪華さに驚きつつ、ひとくち食べて、芳醇な味わいに感激しつつ、大切なひととの特別な時間は、ゆっくりと過ぎていった。