幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「お父さんやお母さんに連れてってもらって、コース料理の出るお店は行ったことがあるけど、こういう……ホテルディナーっていうのは初めて」

 沙也の言葉は、一般家庭の娘として普通のことだっただろう。

 なのに清登は、嬉しそうに微笑んだ。

「そうか。じゃあ、俺が初めてをあげられたんだな」

 言われて、沙也の胸が、かっと熱くなる。

 そうだ、初めての素敵な体験。

 清登がくれたのだ。

 胸の中に、じわじわ熱く、あたたかな感覚が広がる。

 こんな、些細なことでも大切なことと捉えてくれる清登。

 そんな彼だから。

 ……やっぱり、大好き。

 昔から……ずっと。