幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「新玉ねぎのポタージュでございます」

 ウェイターが丁寧に皿を並べていく。

 清登は軽く「ありがとう」と伝える。

 丁寧なひとなのだ。

 沙也も同じようにした。

 ポタージュは爽やかな味わいの中に甘味があって、夏に相応しい味だった。

 そのあとも料理はタイミングを見計らったように、ゆっくりと出てきた。

 平日なので、お酒は一杯だけにしようという話になり、そのあとはノンアルコールのドリンクをお供に食事は進む。

「沙也はこういうお店は初めて?」

 魚料理、さわらのポワレというものを食べはじめながら、清登が聞いてくる。

 沙也は少し恥ずかしくなってしまった。

 それにやはり少しだけではあるが、胸も痛んだ。

 やはり彼と自分は、住む世界が違う。

 いくら子どもの頃、近所で一緒に過ごしていたとしたって、その差はきっと埋まらないのだろう。

 そう実感してしまって。

 でもそんなこと、言うことではない。

 笑顔を浮かべて「うん」と言った。