言われて沙也は驚いてしまった。
こういう家柄で、これほど豪華な車なのだから、運転手はいるものだろうと想像できていた。
だがこうして迎えに来てくれるなんて。
しかも自分のことも送ってくれるなんて。
なんて……気が利く、優しいひとなんだろう。
感じ入っていた沙也に、清登は少し悪戯っぽいような目をして、もうひとつ、驚かせることを言ってきた。
「デートで運転手がいるなんて無粋だろ? だから反対を押し切って、行きだけは俺が運転することにしたのさ」
まったく、悪戯が成功した子どものような表情と言い方だった。
子どもの頃、たまに見せたものと変わっていない。
沙也は懐かしさと、嬉しさと、少し膨れる気持ちと……でもそれ以上の喜びを同時に覚えてしまった。
「……ありがとう。嬉しい」
返事は素直に出てきた。
これほど自分を大切にしてくれることが嬉しいと思う。
その気持ちをそのまま伝えたい。
「それなら良かっ……、あ、そろそろ料理がはじまるな」
清登が言いかけたとき、まずはスープが運ばれてきた。
とろりとしていそうな、薄黄色の液体が入っている。
上に散らされているのはパセリだろう。
こういう家柄で、これほど豪華な車なのだから、運転手はいるものだろうと想像できていた。
だがこうして迎えに来てくれるなんて。
しかも自分のことも送ってくれるなんて。
なんて……気が利く、優しいひとなんだろう。
感じ入っていた沙也に、清登は少し悪戯っぽいような目をして、もうひとつ、驚かせることを言ってきた。
「デートで運転手がいるなんて無粋だろ? だから反対を押し切って、行きだけは俺が運転することにしたのさ」
まったく、悪戯が成功した子どものような表情と言い方だった。
子どもの頃、たまに見せたものと変わっていない。
沙也は懐かしさと、嬉しさと、少し膨れる気持ちと……でもそれ以上の喜びを同時に覚えてしまった。
「……ありがとう。嬉しい」
返事は素直に出てきた。
これほど自分を大切にしてくれることが嬉しいと思う。
その気持ちをそのまま伝えたい。
「それなら良かっ……、あ、そろそろ料理がはじまるな」
清登が言いかけたとき、まずはスープが運ばれてきた。
とろりとしていそうな、薄黄色の液体が入っている。
上に散らされているのはパセリだろう。



