幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 それでも今日は平日。

 明日は休みというわけではない。

 一応、十日間なのだから、もう少し時間はあるし、今夜というわけではないだろうな、と思っていた。

 それは少し残念なような、まだ猶予があって、ほっとするような。

 色々考えているうちに、支度は整った。

 淡い水色は、初夏に相応しい、爽やかな印象。

 ワンピースはプレーンなAラインのスタイルに、後ろでリボンを結ぶようになっている。

 そのあと、スタッフが訪ねてきて、髪のセットまでしてくれた。

 おろしていた髪はまとめられ、ハーフアップにされる。

 そこへ小さな飾りも添えられて、沙也は会社を出たときとはまったく違う、フォーマルなスタイルになっていた。

 鏡を見て、自分で見入ってしまったくらいだ。

 こんな素敵な格好にしてもらえるなんて。

 ううん、清登くんと並ぶんだから、見劣りしないようにだけど。

 そう思えることが嬉しく、幸せだと感じてしまう。