「沙也、できたかな」

 迎えに来てくれた清登も、同じ、青色に包まれていた。

 ネイビーのスーツに、黒いタイ。

 胸には青い花を飾って。

「うん。清登くん、素敵だね!」

 部屋から出た沙也は、そのきりりとした格好いい姿に、つい勢い込んで褒めてしまい、それは清登に笑われてしまった。

「ちょっと、俺が先に言いたかったのにな」

「あ、ごめん」

 茶化すように言われて、沙也もまた苦笑になった。

「じゃあ、改めて……。沙也、とても綺麗だ。世界で一番綺麗だ」

 先に言えなかったぶんなのか、清登は力強く、二回も言ってくれた。

 沙也の胸に心地良い熱が広がり、ふわっと笑みになっていた。

「ありがとう。もったいないくらいだよ」