幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「清登くん……」

 母は小さく呟いたけれど、その名前に続く言葉があるより先に、父がはっきり言葉にした。

「こちらこそです。ふつつかな娘ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします」

 清登と同じように、しっかり礼をした父。

 沙也の胸はもっと熱くなる。

 自分にはこれほど支えてくれるひとがいる。

 一人ではないどころではない。

 だから、お嫁入り後の生活は大変だろうし、その中には楽しくないこともあるかもしれないけれど、きっとやっていける。

 ずっと知っていたはずのことを改めて実感し、沙也の目から、今度こそぽろぽろと涙が零れた。

「あらあら。メイクが崩れるじゃない」

 それは母に苦笑されてしまったが、その母だって、目尻に涙を浮かべていたのだ。