幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 声に招かれて、清登が室内に入ってきた。

 沙也の胸が、とくんと跳ねる。

 もちろん新郎のタキシード服を身に着けた清登。

 シルバーのタキシードに、ダークブルーのネクタイを締めていて、その色合いに、沙也は今度、熱い気持ちを覚えてしまった。

 指にしっかり嵌めてある指輪に嵌まっている石と、同じ色だ。

「沙也、すごく綺麗だ」

 その姿で沙也の前まで来た清登は、ウエディングドレスを感じ入ったような瞳で見つめ、しみじみと言った。

 沙也にとって、なにより嬉しい言葉だ。

「ありがとう。清登くんも、とっても素敵」

 沙也からも、同じように褒める。

 きりりとタキシードを着こなした清登は、「ありがとう」と微笑で言ってくれた。

「お義父さん、お義母さん。これから沙也には苦労を掛けてしまうと思いますが、どうぞ見守ってくださいますよう、お願いします」

 そして沙也の両親を振り返り、丁寧に礼をした。

 沙也も、父も母も驚いた。

 まさか改まってこんなふうに言われようとは思わなかったのだ。