幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「うん。お母さんとお父さんのおかげだよ。今まで本当にありがとう」

 早くも涙が込み上げそうになりながら、沙也は心からお礼を言った。

 でもそれは母に小さく首を振られてしまう。

「嫌ね、確かにお嫁にやるけれど、これからもずっとお母さんよ」

 その言葉は、沙也の胸をじんと打った。

「……うん」

 我慢した涙はひとつぶだけ、じわっと滲んでしまう。

 沙也はまだ素肌だった手で、メイクが崩れないようそっと拭った。

「すみません、沙也のお支度は……」

 そこで別の声がした。

 清登の声だ。

 母が振り向いて、顔を明るくする。

「もう大丈夫よ。どうぞ」