幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「そこの目暮さんが運転手だったわね。だからすぐにここが思い浮かんだんじゃないの?」

 真悠は振り返って、目暮に声をかけた。

 目暮も、真顔でも笑顔でもない表情で、ただ頷く。

「ええ。真悠様にとって、清登様関連の海といったら、ここしか浮かびませんでしたね」

「そういう察しはいいのね、目暮さんって」

 目暮のその態度や言い方が気に入ったようで、真悠はくすりと笑う。

 それで、コートのポケットに手を入れた。

 中から出てきたものに、沙也は目を丸くしてしまう。

「だから決別しにきたの。この場所で。清登とのことを、本当に」

 手のひらには指輪があった。

 きっと婚約指輪。

 新品ではなく、いくらかの年月は着けられていたという様子のものだ。

 ゴールドのリングには、赤い石が嵌められている。

 とても綺麗だった。

 海からの光を反射して、きらりと光る。

 これが真悠の、ここにやってきた理由のすべて。