一通りの誤解が解けたあと。
真悠は今度、崖際ではないところへ移動して、柵の前から海を見つめた。
そこで話をはじめる。
「二年くらい前にも……婚約破棄の話が出たの」
静かに言われたことは、沙也は少し考えなければいけなかった。
婚約破棄……二年くらい前……。
数秒考え、はっとする。
まだ自分があのマンションにいたときのことだ。
明依に相談したことがあった。
母から『清登の家がごたついているよう』とうわさを聞かされた、きっとあれだ。
ただ、今ここで「知っていた」とは言えない。
どうして知っていたのかとややこしいことになってしまう。
よって沙也はそう言うのをやめておいて「そうだったんですか」と相づちを打った。
真悠は今度、崖際ではないところへ移動して、柵の前から海を見つめた。
そこで話をはじめる。
「二年くらい前にも……婚約破棄の話が出たの」
静かに言われたことは、沙也は少し考えなければいけなかった。
婚約破棄……二年くらい前……。
数秒考え、はっとする。
まだ自分があのマンションにいたときのことだ。
明依に相談したことがあった。
母から『清登の家がごたついているよう』とうわさを聞かされた、きっとあれだ。
ただ、今ここで「知っていた」とは言えない。
どうして知っていたのかとややこしいことになってしまう。
よって沙也はそう言うのをやめておいて「そうだったんですか」と相づちを打った。



