幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 今度はアドレス帳を呼び出し、スクロールして一件の電話番号を見つける。

 いつも清登がかけてくれるから、一回も沙也からかけたことはない番号だ。

 でも、本当はずっと前から知っていた番号。

 あの名刺に書いてあったのだから。

 お願い、なんとかなりますように!

 沙也は祈りながら、その電話番号をタップして、電話をかけた。

 なかなか応答はなかった。

 捕まらなかったらどうしよう、なにかほかの仕事に出ていたら終わりだ。

 いや、電話に出てくれてもフリーとは限らないけど……でもどうにかなってほしい!

 沙也の祈りは通じたのか。

 三十秒以上も過ぎようとした頃。

 ぷつっと電話が繋がる音がした。

『はい、目暮です。沙也様ですか?』

 このとき、沙也は天にも感謝したい気持ちになり、ぎゅっと縋るようにスマホを握りしめていた。

「目暮さん! ちょっと、助けてほしいことがあるんです……!」