そこからあのときの想い出話になる。
わずかに届いてくる潮風を感じながら交わす、二人共通の想い出は、とても優しい会話だった。
「拾った貝殻を沙也にやったっけ。拾ったのをやるなんて、子どもだったよ」
苦笑して話す清登だったが、沙也はすぐに首を振った。
「そんなことない。すごく嬉しかったし……」
そこで少しだけ言葉は途切れてしまった。
流石にこれを言うのは気恥ずかしかったからだ。
でも今、ごまかしてしまったら、後悔する気がした。
この十日間が終わったら、もう言っていいことではなくなるかもしれないのだから。
「……今も、とってあるの」
恥ずかしかったから、視線は逸らしてしまった。
手をかけていた柵も、ぎゅっと握りしめてしまう。
清登から、先ほどよりもっと驚いた空気が伝わった。
わずかに届いてくる潮風を感じながら交わす、二人共通の想い出は、とても優しい会話だった。
「拾った貝殻を沙也にやったっけ。拾ったのをやるなんて、子どもだったよ」
苦笑して話す清登だったが、沙也はすぐに首を振った。
「そんなことない。すごく嬉しかったし……」
そこで少しだけ言葉は途切れてしまった。
流石にこれを言うのは気恥ずかしかったからだ。
でも今、ごまかしてしまったら、後悔する気がした。
この十日間が終わったら、もう言っていいことではなくなるかもしれないのだから。
「……今も、とってあるの」
恥ずかしかったから、視線は逸らしてしまった。
手をかけていた柵も、ぎゅっと握りしめてしまう。
清登から、先ほどよりもっと驚いた空気が伝わった。



