幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「きれー! ほあほあ!」

 茜の期待通りに、気に入ったらしい洋斗。

 ボアの部分に手を触れて、優しく触りはじめた。

「とても素敵です。ありがとうございます」

 沙也も膝を詰めて、近くで見せてもらいながら、お礼を言った。

 本当に、茜はセンスがいい。

 センスも気遣いも、香々見家の奥様として相応しい選択をいつもされている、と沙也は毎回感じ入っている。

 その姿勢は、沙也に、「自分も立派な若奥様にならないと」と、気を引き締めさせるのだった。

「ええ。今年は冷え込むと聞くわ。たくさん着せてあげて」

「はい!」

 穏やかに話をする茜と沙也。

 ぽつんと残されたのは清登である。

「おいおい、息子とママを取られたからって、パパが拗ねるなよ」

 その様子は清司に笑われてしまう。

「なんてこと言うんだよ、父さん」

 顔を上げて不満げに言った清登だったが、その言葉と言い方がすでに『拗ねている』ものでしかなく、その場の皆を、くすくす笑わせてしまったのだった。