そのような変化がたくさんあった、夏という季節。

 真夏はあっという間に過ぎてしまった。

 秋の気配がしてくるのすら、一瞬だったような気がしたくらいだ。

 沙也と洋斗の引っ越し先、清登が住んでいた家での生活もだいぶ慣れてきた頃の日曜日。

 家に来客があった。

 インターホンが軽快に鳴る。

 はじめに反応したのは洋斗だった。

「ぱーぁぱ! おきゃくーさーん!」

 ソファで清登に絵本を読んでもらっていたところから、ぱっと顔を上げる。

 もうパパと呼ばれるのもすっかり定着した清登は嬉しそうに、優しげに微笑んだ。

「ああ。じぃじとばぁばだな」

 そう言って、絵本をそっと閉じて、テーブルに戻した。

「お迎えに行こう、洋斗」