幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 引っ越しに当たっては、やはり明依が一番寂しがってくれた。

 マンションでの最後の日は、清登ではなく明依と過ごしたくらいだ。

「ひろくんと離れるの、寂しいよぉ~」と洋斗を抱きしめて、ふざけてはいるのだろうが、本気で寂しそうに言ってくれた明依。

 今まで、妊娠発覚から、いや、それ以前からもたくさん助けられてしまった明依。

 沙也は、明依が大好きなブランドのアイテムを贈り、これまでのお礼をした。

 でもこれでおしまいであるはずはない。

「これからも友達でいてくれる?」と聞いた沙也の言葉は、想像通りの言葉で返された。

「当たり前じゃん! ひろくんともたくさん会いたいし、まったく会ってくれなくなったら怒るからね!」

 やはり少しふざけてそう言ってくれた明依。

 沙也の目は嬉し涙で潤んで、「もう! 幸せになるんだから泣くなんて!」と明依に背中を叩かれてしまった。