幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 よって、幼稚園に入る三歳までは家で過ごすことになり、ここだけはちょっと嬉しくなってしまった沙也だった。

 かわいい息子だ。

 それにかわいい盛りだ。

 そばでたくさん愛してあげられるのは、親としても幸せだし、満たされることだから。

 そんなわけで、現在の沙也は、結婚式の準備を進めながら、香々見家の教育を受けている。

 立派な若奥様になるために。

 少し前までは想像もしなかったことだが、勉強は意外に楽しいものだった。

 元々、学ぶのは好きであるし、苦にならない。

 これはこれで、楽しいと思えた。

 家も引っ越した。

 マンションは引き払い、清登の家に移り住んだ。

 清登は現在、仕事の都合でタワーマンションに独り暮らしをしている。

 式を挙げたら、清登の実家である屋敷に再び引っ越そうという話になっていた。