幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 保育園もまた同じ。

 沙也はやることがたくさんになってしまったのだし、それも時間が決まっているものではない。

 親が不安定な状態で預けるのも、先方に悪い。

 それに、香々見家にも言われてしまった。

「香々見家の世継ぎになるんだから、しっかりした幼稚園に入れなさい」というように。

 沙也は少し迷ったものの、最終的には頷いた。

 香々見家の方針は、世間で一般的な社会性を身に着けることを重視しているようだった。

 清登が高校までは一般の、公立小学校と、私立高校に通っていたように。

 庶民……と呼ぶのは沙也の感覚ではないが、とにかく、一般家庭の子たちと混じって育ち、庶民の気持ちも理解できる成長をするように、ということらしい。

 何故なら、企業がいくら大きかろうと、最終的に企業が提供する品物やサービスを受けるユーザーや消費者は、庶民であるからだ。

 そのひとたちの気持ちがわからない経営者に未来はない。

 ……というのが、清が沙也に説明してきたことだ。

 沙也もよく納得したので、洋斗も普通の幼稚園に入れることに同意したわけだ。