幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「沙也……」

 清登はもう一度、沙也の名前を呼んだ。

 今度はもう少し、小さな声だった。

 伸ばした腕で、沙也をしっかり抱きしめて、耳元でそれを呟く。

「……清登くん」

 少し驚いたものの、幸せが上回る。

 沙也の表情は、すぐにふっと緩み、手を持ち上げ、清登の背中に腕を回していた。

 もう、名実共に、こうして触れ合っていい仲になったのだと実感できた。

 忘れてはいけないことは確かにある。

 でも常に頭に置かなくてもいい……いや、置いておいてはいけない。

 選んだ『大切なもの』のためにも、普段は幸せという気持ちを頭に置いていいのだ。

「今度こそ、沙也を離さない。洋斗も同じだ」

 沙也をしっかり抱きしめて、清登は誓うように言った。

 沙也の胸に、熱い喜びが溢れてくる。

 腕に力を込めて、自分からももっと強く抱き返す。