「すごい……! 潮風が気持ちいい!」
高速道路に入って、ひゅんひゅんスピードを上げていった清登の車。
風を感じて、沙也はつい感激の声を上げてしまった。
もうすっかりいつも通りの調子で、明るく言えた、と思う。
しばらく走って、天気がいいから窓を開けてもいいよ、と言われたので、少し開けてみた。
速度が出ているのだから、強めの風が入ってきて沙也の髪を、さらさら揺らす。
でも初夏の風だ、かえって心地良かった。
さらに、海辺を走っているのだから、潮の香りも漂ってくる。
海で泳ぐには早すぎるけれど、そんな気分が少し味わえそうだ、と思う。
そうだ、一回だけ清登とも海に行ったな、とふと頭の中に想い出がよぎった。
小学生の頃だったと思う。
学校の遠足が、低学年と高学年に分かれてのものだったのだ。
四年生だった沙也は、六年生の清登と一緒に行けることになって、とても嬉しくなったものだ。
確かこの近くの海だった。
なにしろ小学生だったからよく覚えてはいないけど……。
高速道路に入って、ひゅんひゅんスピードを上げていった清登の車。
風を感じて、沙也はつい感激の声を上げてしまった。
もうすっかりいつも通りの調子で、明るく言えた、と思う。
しばらく走って、天気がいいから窓を開けてもいいよ、と言われたので、少し開けてみた。
速度が出ているのだから、強めの風が入ってきて沙也の髪を、さらさら揺らす。
でも初夏の風だ、かえって心地良かった。
さらに、海辺を走っているのだから、潮の香りも漂ってくる。
海で泳ぐには早すぎるけれど、そんな気分が少し味わえそうだ、と思う。
そうだ、一回だけ清登とも海に行ったな、とふと頭の中に想い出がよぎった。
小学生の頃だったと思う。
学校の遠足が、低学年と高学年に分かれてのものだったのだ。
四年生だった沙也は、六年生の清登と一緒に行けることになって、とても嬉しくなったものだ。
確かこの近くの海だった。
なにしろ小学生だったからよく覚えてはいないけど……。



