幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「もちろんです。これからの俺は、一人ではありません。沙也と息子を守るために、あのような甘い自分ではいられないんです」

 今度、清登は苦しそうな顔をしなかった。

 表情を変え、硬いながらも真っ直ぐな顔になる。

 その視線で、正面から清を見据えた。

「ですから、誓います。男としても、父としても、強くいると」

 清登の決意は、きっとこの場の全員に伝わった。

 沙也は部屋の中の空気でそう察する。

「わかった。……伊月さん。いや、わしもこれからは、沙也と呼ばせてもらおう」

 清が小さく頷き、清登の決意を受け止めたのが最後だった。

 沙也に向けてそう言ったことで、この場の話はすべて終わったと、沙也は本当に知った。

「はい。どうぞそのように」

 受け入れ、軽く頭を下げる。

 若奥様という立場になるのだ。

 さん付けというのもおかしい。

「では、これにて。式は早めに挙げようと思うが、その段取りはまた、いずれ」

 清はその言葉でこの場を締め、がたっと立ち上がった。

 沙也と清登はシンプルに「はい」と答え、何度目かもわからない礼をした。