幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「清登の婚約や破棄については、もう伊月さんもご存知なのだな?」

 清の視線は清登に向いた。

「はい。俺がすべて話しました」

 清登は硬い顔で頷く。

 硬い顔であったが、その表情ははっきり『決意』だった。

「そうか。では単刀直入に聞こう」

 すぐに清の視線は沙也に戻ってくる。

 大企業の相談役となんて、会話するのはこれが初めて。

 しかもこれから自分が嫁入りする予定の家ときている。

 すくまないはずがない。

 それでも逃げるつもりはないから。

 沙也はなんとか、清の鋭い視線を受け止めた。

「香々見家の嫁になる覚悟はあるのだな? 一般家庭に嫁ぐのとは違うのだぞ。伊月さんは一般家庭の娘さんだろうから、社交も振舞いも心づもりも、なにもかも覚えてもらう必要がある」