幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 上座には、老齢の男性が座っていた。

 ごつい顔立ちに、白髪になった髪。

 高級そうなスーツに身を包んでいる。

 老齢ではあるが、がっしりした体格をしている彼は、ひと目でわかった。

 香々見家当主・香々見 清 氏だろう。

 その隣の、着物を着た、同じく老齢の女性はきっと、正妻の晴恵という方……この点については、目暮から話を聞いていたので、内心、少しぞくりとしてしまった沙也だった。

 ほかに二人、席に着いている男女は清登の両親。

 紹介されずともわかる。

「お待たせいたしました」

 清登は入り口から数歩入ったところで、深々と礼をした。

 沙也も慌てて、洋斗を抱いたまま、頭を下げる。

「ああ。こちらへ」

 祖父・清が立ち上がり、清登に席を示した。

 そこには二つ席が空いていて、隣には子ども用の椅子もあった。

 きっと清登が支度するように言ってくれたのだろう。

 少しだけ沙也は安堵した。