「ね、洋斗。今度はパパとやってみたらどうかな?」
今ならいいだろう。
沙也は洋斗に提案した。
洋斗は早速青い積み木を再び取り上げていたところだったが、顔を上げた。
清登に視線を向ける。
「パパ。ぱーぱ」
優しく促す。
言ってみて、という沙也の気持ちはきっと伝わった。
洋斗の顔は明るくなり、その口からは、初めて発音する言葉が出てきたから。
「ぱー! ぱー、ぱぁ!」
意味はきっと、まだ理解していない。
そういう名前なのだと思ったのかもしれない。
でも……、とても大きな一歩だった。
清登がもう一度、あのときのように顔を歪めて、泣き出しそうになったのは言うまでもないだろう。
今ならいいだろう。
沙也は洋斗に提案した。
洋斗は早速青い積み木を再び取り上げていたところだったが、顔を上げた。
清登に視線を向ける。
「パパ。ぱーぱ」
優しく促す。
言ってみて、という沙也の気持ちはきっと伝わった。
洋斗の顔は明るくなり、その口からは、初めて発音する言葉が出てきたから。
「ぱー! ぱー、ぱぁ!」
意味はきっと、まだ理解していない。
そういう名前なのだと思ったのかもしれない。
でも……、とても大きな一歩だった。
清登がもう一度、あのときのように顔を歪めて、泣き出しそうになったのは言うまでもないだろう。



