幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「え? うん。大丈夫だよ」

 ただ、清登にわかるはずはないから、戸惑いの顔になった。

 それでももう一度、繰り返す。

 ただの偶然だっただろう。

 でも、きっと洋斗にとっては、とても嬉しい言葉だった。

「うーん! だいじょ! ぶーぅ」

 機嫌が一気に真逆になった洋斗。

 清登はもっと戸惑ったようだった。

 沙也は大きな喜びと幸せを覚えてしまう。

「私がよく言うからね、素敵な励ましの言葉だって思ってるの」

 説明すると、清登の目は丸くなった。

 偶然でも、洋斗にとって大きな意味のある言葉を掛けられたことに、きっと感動しただろう。

「……ああ。素敵な言葉だ」

 清登の表情が綻ぶ。

 半分泣き笑いのような、感じ入って、噛み締めるような表情だ。