幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「沙也、今日はありがとう」

 清登ときたら、こうしてまた丁寧に言ってくれる。

 沙也が「私こそ」と言うのはわかっているだろうに。

「じゃあ行こう。えっと、チャイルドシート、これで合うかな? 一応、年齢を言って、つけてもらったんだけど」

 清登が先導するままに車のドアに近付いて、中を見て沙也は驚いてしまった。

 そこにはしっかりした作りのチャイルドシートが取り付けてあったのだから。

「え、これ、どうしたの?」

 思わずお礼や返事より、疑問の声が出てしまったくらい驚いた。

 でも清登はかえって嬉しそうに説明してくれる。

「今日はくたびれるかもしれないから、なるべく快適に車で過ごせたらと思って」

 なんと、今日のためにわざわざ用意してくれたようだ。

 しかもこれ、おそらくしっかりしているかつ、安くはないメーカーのものだろう。

 明らかに作りが一般の店で売っているものではない。

 用意がぬかりないあたりが、やはり彼らしい。

 装備ひとつからも、沙也は感じ入ってしまった。