幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 沙也もかっちりしたワンピースを着てきた。

 爽やかなスカイブルーの、膝丈ワンピース。

 上に白いカーディガンを着ている。

 足元はパンプス。

 だがぺったんこで、なにかあったらすぐ走れるようなものだ。

 バッグだけは洋斗の持ち物がたくさんあるので、いつものマザーズバッグだった。

 そのような沙也の格好も、同じく『非日常』を表していると言えた。

 やがて、例の黒い車が走ってきた。

 マンションの前で停車する。

 まず後部座席のドアが開いた。

 出てきたのは清登だ。

 ドアから出てきて、つかつかと近付いてくる。

 清登もスーツ姿だった。

 ダークグレーのスーツに、ネイビーのタイを締めている。

 スーツの色を、ネクタイの深い色が引き締めていて、夏らしい色合いだった。