幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「いいよ、いいよ! どこか行くんだよね? 楽しんできて!」

 明依だってまだ状況をしっかり把握できていないだろうが、それでもそう言ってくれる。

 本当に優しい友達。

 沙也は噛みしめながら、気を付けて助手席へ乗り込んだ。

 清登がドアを静かに閉めてくれる。

 そうしてから自分は運転席へ回り込み、乗り込んだ。

 どうやら自分で運転するらしい。

 こんな豪華な車なら、運転手などがいてもおかしくないと思ったが、そういうわけではないようだ。

 すぐにエンジンがかかり、車は発進した。

 だがとても走っている車とは思えないほど少ない振動だ。

 沙也は驚いてしまったくらい。

 こんないい乗り心地の車なんて、初めて乗った。

 当たり前かもしれないが、見た目が豪華で高級なだけではなく、性能もいいのだろう。