幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

『じゃあな。楽しみにしてる』

 電話を切る前、清登が最後に言ったことで、沙也は確信した。

 お礼と、もう一度励ましの言葉を沙也から言って、電話は切れた。

「ままぁ~! みーてー!」

 不意に洋斗が、沙也を呼んでくる。

 沙也がそちらを見ると、洋斗は先ほどから遊んでいた積み木を手にして、笑みでいた。

 積み木はもう三つも積まれていたので、沙也はちょっと驚いた。

 今までは崩してしまうことが多かったのに、今日はうまくできたようだ。

 それで、うまくできたから沙也に自慢したかった模様。

 沙也の顔に、笑みが浮かぶ。

 とても優しい笑みになったのを自覚する。

「上手にできたね!」

 スマホはテーブルに置き、洋斗の横に座った。

 洋斗はもうひとつの積み木を手にしたままで、もっと自慢げな様子になった。