幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 開始時間は午前中だから、お昼は同じホテルで摂ろうとか、午後はまた別のことがあるとか、清登は順を追って説明してくれた。

 沙也は頷きながら、全部聞いた。

 電話は十五分ほどだっただろうか。

『ごめん、このあとちょっと仕事があるんだ』

 すまなさそうに言った清登。

 沙也に不満などがあるわけないのに。

「そっか、頑張って」

 少し前、ティールームで会ったとき聞いたように、忙しい日々に決まっている。

 立派な役職なのだし、海外に飛ぶこともあると言っていたのだから、自由になる時間のほうが少ないくらいだろう。

『ありがとう。日曜は完全にフリーにするから』

 そう言われて、沙也は嬉しくなってしまう。

 大切な日なのだということが、余計に強く感じられた。