幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 でも次に言われたことは、すまなさそうだった。

 理由はわかるので、沙也は少し考えた。

 確かにまだ幼い洋斗には、少々負担になるだろう。

 だが大事な用事で、大事な日になることは間違いない。

 その場にいるべきで、いてほしいのも間違いない。

 だから、少し頑張ってもらおうか、と沙也は決める。

「うん。休憩は入れてもらえる?」

『ああ、もちろん。二時間くらいは……』

「それなら、ちょっと頑張ってもらうよ。そのくらいの時間、出掛けたこともあるから」

『そうか。ありがとう。洋斗にもお礼を言うよ』

 そのようなやり取りで、当日、洋斗の同行も決まった。

 次は場所のことになる。

 指定はホテルだった。

 十日間の交際のとき、初日にディナーをしたホテル。

 なんとなく、懐かしさを感じる場所だということに、嬉しくなってしまう。